シーベルト(Sv)とは、放射線が人体にあたえる影響を数値化したもの(被ばく線量の単位)です。
シーベルト毎時(Sv/h)とシーベルト(Sv)の関係は、自動車の速度(km/h)と距離(km)の関係に置き換えれば分かり易いと思います。
シーベルト毎時:Sv/h | キロメートル毎時:km/h |
シーベルト :Sv | キロメートル :km |
つまり1ミリシーベルト毎時は、1時間その場所にいると、1ミリシーベルトという放射線を受けるという意味です。
シーベルト(Sv)は、放射線が人体にあたえる影響を数値化したもの(被ばく線量の単位)です。その「シーベルト」の前に、「ミリ」や「マイクロ」といった接頭辞がつくことがありますが、これは数を表す接頭辞です。
たとえば、ミリは1000分の1。マイクロは100万分の1を表しています。つまり、以下のようになります。
1シーベルト(Sv)=1000ミリシーベルト(mSv)=100万マイクロシーベルト(μSv)
主な接頭辞 | |||
1000,000,000,000 | テラ | (tera) | T |
1000,000,000 | ギガ | (giga) | G |
1000,000 | メガ | (mega) | M |
1000 | キロ | (kilo) | k |
1 | |||
0,001 | ミリ | (milli) | m |
0,000,001 | マイクロ | (micro) | ? |
0,000,000,001 | ナノ | (nano) | n |
また、放射能の強さを表す単位の「ベクレル」も接頭辞が付くと、同じように単位が変わります。たとえば、以下のようになります。
1メガベクレル(MBq)=1000キロベクレル(kBq) =100万ベクレル(Bq)
ベクレル(Bq)とは、放射性物質が放射線を出す能力を数値化したもの(放射能の強さを表す単位)です。
Q-B-1・Q-B-4で述べたとおり、シーベルト(Sv)は、放射線が人体にあたえる影響を数値化したもの(被ばく線量の単位)であり、ベクレル(Bq)は、放射性物質が放射線を出す能力を数値化したもの(放射能の強さを表す単位)です。
したがって、この二つは異なる種類の単位ですから、直接的に変換、換算することはできません。
これは、例えば体積を表す(cm3)と質量を表す(g)が直接変換できない状況によく似ています。対象の物質が水であるならば、密度は1g/cm3ですから、水1cm3=1gの関係が得られます。
物質の種類が変われば、密度も変わり、結果として体積と質量の関係が変わるのと同じように、ベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)の関係も、放射性核種の種類、存在状態等の条件の下でのみ相互関係を示すことができます。
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