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教員向け研修会

放射線教育授業実践事例17:福島県会津若松市立謹教小学校

放射線教育授業実践事例17:福島県会津若松市立謹教小学校

 

 

 20141120日、会津若松市立謹教小学校では、4年生の学級活動で学習している「放射線と安全な生活」の2時間目(45分)を公開した。指導は担任の角田貴美教諭が行った。

 

 

〈授業の様子〉

 

 

「ラディ」を使って校内を測定

 授業は、角田教諭が校内外のモニタリング結果を掲示し、放射線量は簡単に測れること、場所によって値が異なることを説明することから始まった。

 次に、γ線が測れる環境放射線モニタ「ラディ」を見せ、これを使って実際に校内を測ってみようと提案。同じ場所でも胸の高さと床の高さで測定するよう指導するとともに、安全の目安となる「0.23マイクロシーベルト/時」を掲示した。初めて測定器を手にした生徒たちは5人ほどのグループに分かれ、窓際や床、外などで測定を行い、測定値をワークシートに記入していった。

 

 

 (放射線量の測定)

 

 

 

なぜ毎日の測定が必要なのか

 

 そして、生徒たちが行った測定結果の発表。教諭は「測る場所によって数値が異なること」「校舎内の値は安全であること」を確認させた。

 

 さらに、放射線を測るものとして、他にもモニタリングポストや食品を測るもの、ホールボディカウンターなどがあることを紹介。さらに福島県では新聞、テレビなどでも放射線量の情報が毎日伝えられていることを実物を見せながら紹介し、「それはなぜだと思う?」と問いかけた。これに対し、「気をつけられる」「測定器を持っていなくてもわかるから安心」「危険な場所に近づかないようにできる」などの声が上がった。

 

 

 〈授業のまとめ〉

 

 

 

ふだんから測定値に目を向ける

 

 最後に、「安全で健康な生活を送るために、これから続けていきたいこと」をワークシートに記入させ、発表させた。「毎朝ニュースを見て、放射線量が高い時にはマスクなどをする」「放射線量が高いところには近づかない、長くいすぎない」といった生徒たちの発表を受け、角田教諭は「ふだんから放射線量の情報に目を向けて生活していこう」と授業をまとめた。

 

 

 デマや偏見に対処する科学的知見を

 

 授業後、同校教諭と参観した他校教師らとの分科会に続いて、福島大学共生システム理工学類教授 山口克彦氏による「福島における放射線教育〜現場で見えてくる課題について〜」と題した講話が行われた。

 

 福島第一原子力発電所の事故影響を調査している経験をもとに放射線教育にも力を注いでいる山口氏は講話の中で、測定や数値に着目した今回の授業を高く評価するとともに、安全の目安とした「0.23マイクロシーベルト/時」という値は絶対的なものではないので慎重な指導が必要とコメント。福島の子どもたちには小学校から段階的に教育や指導を行い、「科学的な態度で放射線を理解させることが大切」と語り、講話を締めくくった。

 

 

分科会〉

 

 

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